紙面にはデカデカと「500円割引特典付き」なる文言が刻まれていた為に、しがない私はそのフレーズに釣られておもむろに手にしたのでありました。
どうやら掘りこまればかりの様で、比較的きれいな状態で有った為に、自宅へ持ち帰りゆっくり眺めてみよう!となったのであります。
・・・!!
お弁当宅配の「ワタミ」のチラシでは無いですか!
そう言えば、今年2015年初めの頃にも同様のチラシが広告ストックケースの奥にしまって有ったなぁ―と、やおら思い出し・・・
いつもは鉄板焼きのホットプレートの下敷き(油飛び防止)としてストックしてあったものを奥底から引っ張り出して、2枚並べて改めて眺める事にしたのであります。
フムフム・・・
2枚のチラシを比較してみてそれなりに「突っ込みどころ」を何点か感じ取ったので、本日のエントリーはそのテーマにそって書いてみたいと思います。
【新旧2枚のチラシから考察するお弁当宅配事業の業績回復への道!】
※※※※
本題へ入る前に、まずここで・・・
伏線として、毎晩毎朝欠かさずスマホでチェックしている「ニュースサイト」の数々の中で、特に気になる記事の中の一つに
” ワタミ過去最悪の赤字 続く客離れ、稼ぎ頭の介護も低迷 ”
朝日新聞デジタルによるヤフーニュースのまとめ記事が,、わたしの頭の片隅のどこかに引っかかっていたからなのです。※居酒屋チェーンの「和民」が不振にあえいでいるのは周知の事実
介護事業の方も同様です。これらの不振については今更言及の必要性は無いので割愛します。
ここで取り上げたかったのは、各事業体の不調に足並みをそろえるように、「つれ安」的な苦戦をして来ている「弁当宅配事業」についてのみに絞って書いていきたいと改めて・・・
※「ワタミ」特有の弁当宅配事業の呼び名である固有名詞は「商標登録」されているので、あえて使用しません。
さてさて、
2枚のチラシの見比べから・・・
共通して言えるのは、2枚のチラシ共に創業者である「あの人」の顔写真が印刷され、ご本人の事業に対するお考え成るモノが。
面倒なので、以下にチラシの文句を書いてみます。
「家族の食事」
「ワタミの○食」はだしにも、野菜にも、カロリーにも、塩分にもこだわっています。そして、週5日の注文制にこだわるのは「作りすぎ」をおこさないためです。おいしさ、健康、食べ物を粗末にしない・・・すべて母の後ろ姿に学んだ、当たり前のことです。「損得」でなく「善悪」で物事を判断する これは、創業者の私が残した企業理念です。「ワタミの○食」を食べてくださる、あなたを家族と思って「よいものを」※原文ママ、一部伏字、出典:ワタミのチラシより引用
原文ママに記載しましたので、句読点の位置がおかしいとか、表現の言い回しがちょっと・・・等と言った技術論はカットします。
食の安心・安全はどの様な関連企業でもその活動方針の基本に据えており、これらを今時お題目の様に唱えてもそこから付加価値として伝わってこないですよ。
チラシにも記載している様に、ターゲットとした「高齢者の方々」がどのクラスタに存在して(高齢者でも裕福な人、そうでない人、独り身の人、介護の必要な人など様々)
真のニーズは何処に有るのか?を徹底的に掘り下げてソリューションすれば、その付加価値をこのお弁当に見出してくれるか?
と言う事を簡潔に記述する事が必要なのではないでしょうか?
「食事」は欠かせない生活習慣の一つなので、そこで「損得」や「善悪」の理念を用いても生活のかかった消費者の心には決して届かないと言う事を記したいワケですよ。
出汁と素材と減塩にこだわったお弁当は今や各社から溢れんばかり提供されていますしね・・・
・減塩食(塩分制限)お弁当の宅配をしてくれるお店のまとめ
さらに、ここで一つ!
「創業者のおことば」としてチラシ中央に書くのは良いのですが(良くないですが)、ワタナベさんって「参議院議員」で無かったでしたっけ?
なるほど・・・
国会議員は、特別職の国家公務員で、国家公務員法が適用されない仕組みらしい。
従って、副業している参議院議員も複数存在する調べがわかった。
とは言え、議員として立候補する際に「禅譲」する意向で臨んだはずだったので、一民間企業の理念を謳うとして前面に登場するのは、配慮に欠いたもので、理念を掲載するなら、現在の経営者を記載するべきだった。と私なんかは思うのですが。
この辺は感情論なのでここまでとして。
【参考】
・【当選】なぜワタミはブラック企業なのか
・【これは酷い】ワタミの宅配バイトがブラックというよりもはや鬼畜すぎると話題に
・「ブラック批判でピンチ!」ワタミの経営が迷走していた
得意のNAVER まとめに掲載されていた、このチラシの人物の「世間の人物観」が分かるリンクを参考に・・・
1:参議院議員と言う特別職を選択したのなら
2:世間の抱くワタミへの感情論を斟酌したら(真相は別として)
以降決して表舞台に登場するだけ企業にとって(事業にとって)マイナスイメージでしかない!
これが、理解できないようであれば、例え創業者としても人の上に立つ身としては不適格ととらまえた方が良いとは私の持論なのであります。(自分に対する自己分析が甘い人の特徴!)
企業のサイトへ飛んでみましたが・・・
「概要・沿革」に現在のワタミの現職社長の写真など全く無く。
なんと一番下がった所のフッターの近所に出ました!
創業者としてやはりここでも「矢面に登場!」
まぁ、商品名の各所に氏名の略称を配したり、それらを商標として登録したり、「自己愛」全開で有ります。
政治家として、一民間企業に肩入れしている事を顕在化させているのは完全にアウトでしょ?
と思うのですが。
建設的な提案 その①
上述した様な理由から、「自己愛」のすぎる指導者、責任者はその姿を完全に消しさるべし!政治に徹しなさいよ。
高齢者の命の灯とお弁当と位置づけるなら、お弁当の購入代金が「年金受給者」あるいは「生活保護受給の高齢者」に限って、補助が受けれる様なシステムを法案化する働きかけとかを国会で中心になってやったら?
それこそ該当消費者も支持するようになるし、ワタミだけで無い、ヨシケイやコープ等の競合他社にも賛同者が現れてその輪が広がるかもしれないと思うのですが・・・業界全体の幸せを考えて法案化を模索すると言う事ですよ。
どうしても!と言うのなら、「空気」の様な存在になって、決して目立たず縁の下の力持ちに徹するべき。政治家としてそこまでと言う証左と有権者は判断しますけどね。
これ、業績回復を目指す!の提言のまず一つ目ね。
※※※※
チラシから考察するお弁当宅配事業の業績回復迄の道その②ですが
「500円割引!」
これを連打してキャンペーン組むなら、消費税の増税前と増税後に料金体系の値上げをするのを最初からやめたら?良かったのに・・・
次に取り上げたいのは、「価格」に関しての迷走ぶりについて少し
2枚のチラシを「価格」にフォーカスして提示してみたいと思いますよ。
向かって左側が
左チラシは上から順番に料金が松竹梅的に整然と並んでいるのに対し、料金値上げ後は矢印の様に各種お弁当の順番を並べ替えて、値上げの印象を希薄化している様子と見て取れる。
上から順に松竹梅の料金体系に並んでいない事からも伺える。
しかし、両紙面ともに「創業者の」写真並びにコメントは据え置きのコピペのまま掲載しているこの矛盾。
一体、何に重きを置いているのか伺い知る事が出来ない。
ワタミの企業理念が最優先事項と違うのではと思っていたが・・・
写真とコメントを更新しろよ。
今回の企業努力の限界を超え、消費者の皆様のご負担となる云々・・・に関して言及できると思うのですが。この辺の感覚もずれてる。
値上げ前 | 8%増税時 | 値上げ後 | 物価上昇時 | 値上げ率/ 金額 |
こばこ | 2,370円/週 | こばこ | 2,490円/週 | 24.9%/120円 |
御膳 | 2,780円/週 | 御膳 | 2,900円/週 | 29%/120円 |
おかず | 2,930円/週 | おかず | 3,080円/週 | 30.8%/150円 |
万菜 | 3,440円/週 | 万菜 | 3,590円/週 | 35.9%/150円 |
価格は全て消費税込み価格です。
右側の値上げは「再値上げ」だと言う事でした!
各品種の値上げ率だけを見ると「食材」って中国製?
部品や部材の輸入商材も本業で手にしていますけど、中国製品の値上げ率とほとんど末端影響価格が同じ比率なんですけど・・・
国内業者品は、ここまで値上げ(資材・素材高騰による)は酷くないですが。
色々書きたいことはあるけど、建設的な提案をするとテーマの土台としているので、早速提言の方へ。
建設的な提案 その②
おかずのラインナップを減らしなさい。
「一汁三菜」と言う昔からの食事の慣用句知ってる?
1食あたりの品種が多すぎるから、ひとつ、あるいは多くてふたつに統合をお勧めします。
おかずを大量に入れるのなら、それを減らして「お吸い物袋」や「味噌汁袋」をつけてあげた方がまだ親切というもの。
高齢の方は、「のど」が詰まり易いのよ
あ、玉露袋等のお茶袋の日もあって良いかと思います。
とにかく、原資の配分を変更し直した方が良い!
「料金体系」に関しては、一本化で!
そうだなぁ、「3,080円」/5食(税込)で一本化する。
その中で、「おかず」だけと「ご飯込」を日替わりで選択できる様に再設定する訳です。
高齢者ニーズなら、若い時の様に「コメ」をもりもり食う世代は限られているから、現在でも恐らくおかずだけの客が7.5に対してご飯込の客は1.5位の割合でしょう。
残りは、一回り量の少ない「こばこ」やおかずだらけの「万菜」の消費者と見ましたが。いかが?
毎日毎日同じ形状の弁当箱を見てくるとうんざりするから、おかずの日やコメの有る日を選んでもらうようにすると、弁当箱の雰囲気も変わったり、あるいはお米だけ別途調達出来たものと食してもらう等と言ったバリエーションが演出できると思うのですが。
一般論ですが、コメは何とかどこからともなく手に入るけど、おかずの用意を考えたり調理するのが面倒だったり、ワケ合って出来なかったりと言うのが、出来あいのモノへ依存する最大の理由でしょうに。
建設的な提案 その③
最後に蛇足的にいきなり飛びますけど、「創業者」が恐らく好きなんであろう「カラー」のオレンジですけど。
和食のイメージに程遠いセンスかと思います。
特に京阪神地区で、「オレンジ」と言うのは「読売」をイメージします。
まごころスタッフが、(巨人ファンの)スタッフが弁当を毎日配達に来る!!
となってDNA的に拒否反応を体の深い所で起こしてしまいます。
全国区で展開している事業で有ればなおのこと、ヨシケイの白やコープの無味乾燥な配色、などなど「オレンジ」をもう少し冷静になって考えた方が良いと言う提言を最後にして締めくくりたいと思います。
選挙の時のタスキがまさしくこのオレンジを装着していたから、自分ですごく好きな色なんだろうなぁと誰もが分かります。
是非もう一度ご自身の与えている世間の印象と、私物化しているように映る各事業会社の距離感と言う物を冷静になって考えなおして、再度「時代の寵児」として取り上げられたあの頃を取り戻して頂きたく草葉の陰から応援をしております。
◆追記
ワタミの三事業の一つである介護事業の売却が決定しました。
東洋経済オンラインの関連記事も参照リンクとして貼付けておきます。是非参考に!
「ワタミ、身売り話も飛び出した三重苦の実体」